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COMPLETED

WELCIA HOUSE  / shiraoka 2017

  • 児童福祉施設
  • 木造
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将来白岡駅へ通ずる都市計画道路と市道の交差点に建つ、木造2階建て延べ120㎡の児童福祉施設(地域包括支援センター)である。スーパーマーケット機能を備えたウエルシア薬局と駐車場を共有し、買い物ついでにふらりと立ち寄れる身近な相談窓口をめざした。台形の架構断面をそのまま立ち上げたシルエットは遠くからもよく目立ち、まちの小さなランドマークとなる。昼は周囲の住宅地や駐車場の風景に溶け込みつつ、夜には室内の灯りが木の梁を浮かび上がらせ、穏やかな明かりの塊として道行く人を迎え入れる。外装は深い緑の鋼板と温かみのある木板で構成し、内部では木の架構を現しとして落ち着きのある空間をつくっている。小さな子どもも高齢者も迷わず出入りできるよう、入口まわりには庇とスロープ、植栽帯を組み合わせ、安心感のあるアプローチとした。道路側には大きな開口とテラスを設け、歩行者が自然と腰掛けられる「まちの縁側」として計画した。企業や地域住民が集い、介護について学び合いながら、子どもから高齢者まで多世代が緩やかにつながる地域コミュニティの拠点である。

DATA

所在地 埼玉県白岡市白岡1143-1
用途 児童福祉施設(地域包括支援センター)
設計期間・監理期間 2016.12-2017.01・2017.01-2017.05
敷地面積 269.40㎡
建築面積 101.92㎡
建蔽率 37.83%
延床面積 120.98㎡
容積率 44.90%
階数 地上2階
構造形式 木造

木とガルバリウム鋼板によるモダンかつ温かな佇まい

共用駐車場に面した横長のファサードは、深い緑のガルバリウム鋼板と木板張りの対比により、モダンでありながら温かみのある表情をもつ。大きなガラス窓からは木架構の明るい室内がこぼれ、通りがかりの人をさりげなく招き入れる。住宅の玄関を思わせる小さな階段と庇、足元の植栽やサインが福祉施設特有の堅さを和らげ、買い物帰りにも立ち寄りやすい、まちのリビングの入口として親しく街路に開いている。ここから多世代の交流や相談がはじまり、日常の延長線上で福祉とつながる風景をつくり出している。

夜は内側の光が外に溢れて街を照らす

誰もが気軽に腰掛けて休める外部の居場所

道路側に大きく張り出した木製デッキの縁側は、通りを歩く人がふと足を止めて腰掛け、陽だまりのなかで一息つける居場所である。室内と同じ高さで連続することで、建物の内と外をやわらかくつなぎ、玄関から入ることにためらいを感じる人でも、まずはテラスでスタッフや利用者と自然に言葉を交わせるように計画した。深い軒が夏の強い日差しや雨を和らげ、オープンカフェのようにイベントや相談会の会場にもなる。地域の日常風景に溶け込みながら、誰にとっても敷居の低い福祉の窓口となる縁側である。

相談や学び、語らいが生まれる居間のような空間

1階の地域交流スペースは、ウエルシアハウス全体をゆるやかにつなぐ中心の「リビング」のような場所です。大きな開口から自然光がたっぷりと差し込み、木の梁と床がつくるあたたかな雰囲気のなかで、介護総合相談をはじめ、健康・介護の勉強会や介護料理教室、介護予防体操、福祉用具の展示など多彩なプログラムが展開されます。壁面には棚やパネルユニットをいくつも設け、内容に合わせて自由に組み替えられるよう計画。日々の活動に応じて表情を変えながら、子どもから高齢者までが自然に集い、学び合い、語り合う地域の交流拠点となっています。

光と木に包まれた地域交流リビング

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