六本木の賑わいの中に誕生した本建物は、宝石のような上質さと存在感を街に添えることを目指して計画されたテナントビルである。外観は過度な装飾を排したシンプルな構成としながらも、光の当たり方や見る角度によって印象が変化し、昼と夜で異なる表情を楽しめるデザインとしている。建物は屋上の工作物を含めて一体的にデザインされており、建築と設備の境界を感じさせない統合された外観を形成することで、実際の高さや規模以上の伸びやかさと存在感を生み出している。その結果、都市の中で自然と人の視線を引き寄せる佇まいを実現した。低層部は素材やディテールにこだわり、宝石店の家紋をモチーフとした基壇部によって高級感と個性を表現している。また、歩行者の視線に近いスケールに合わせて繊細な構成とし、足元から豊かな表情を生み出している。エントランスは質感の異なる黒を基調に構成し、重厚さと落ち着きを兼ね備えた空間とすることで、訪れる人を静かに迎え入れる。さらに屋上にはウッドデッキによるルーフトップバーを設け、都市の喧騒から少し離れた特別な時間を過ごせる場を創出している。全体として、都市の中で品格ある存在感を放つ建築を目指した。
DATA
| 所在地 | 東京都港区六本木7丁目 |
|---|---|
| 用途 | 飲食店舗、物販店舗、キャバレー、サービス店舗、事務所 |
| 設計期間・監理期間 | 2023.07-2024.03・2024.04-2026.01 |
| 敷地面積 | 198.22㎡ |
| 建築面積 | 174.34㎡ |
| 建蔽率 | 87.96% |
| 延床面積 | 1475.90㎡ |
| 容積率 | 696.24% |
| 階数 | 10階 |
| 構造形式 | 鉄骨造、場所打ちコンクリート造 |