都心の狭小地に計画された、超高密度型の都市居住建築である。わずかな間口と細長い敷地形状に対し、構造・設備・避難動線を極限まで最適化し、縦方向へと空間を積層することで成立している。ファサードは、垂直ルーバーと階段シャフトがリズムを与えるミニマルな構成とし、街路へ対して軽やかな陰影をつくり出す。低層部には奥行きの深いピロティを設け、限られた土地の中に安全なアプローチと半屋外の余白を確保。内部はワンフロア・ワンユニットを基本としたクリアな平面構成で、プライバシーを重視しながら都市生活の快適性を高めている。立体的な避難階段と設備コアを背骨として、合理性と柔軟性を両立させた、超高密度都市における新しい住まいの原型となる建築である。
DATA
| 所在地 | 東京都品川区 |
|---|---|
| 用途 | 共同住宅 |
| 設計期間・監理期間 | 2024.01 |
| 敷地面積 | 190.07㎡ |
| 建築面積 | 124.45㎡ |
| 建蔽率 | 65.5% |
| 延床面積 | 1,136.52㎡ |
| 容積率 | 449.7% |
| 階数 | 地上12階 |
| 構造形式 | RC造 |
屋外階段を内包した建築ボリュームの構成
本図は、屋外階段を建築ボリュームの一部として組み込んだ構成を示している。階段を単に付加するのではなく、建物の妻側に沿って立体的に積層させることで、ボリューム全体の分節と外形の輪郭を明確にしている。階段の配置によって生まれる凹凸は、周囲の建物との関係性を調整すると同時に、建築に奥行きのある立体感を与える役割を担う。正面の構成をそのまま裏側へ展開するのではなく、必要な要素のみを抽出して組み込むことで、正面性に依存しない全体構成を成立させている。機能的必然から生まれる要素を、建築の形態そのものに統合することで、裏側においても意図の読み取れる建築ボリュームを目指した。
立体構成としての外観計画
本計画では、敷地条件により細長く立ち上がる建築ボリュームを前提に、外観を平面的なファサードとしてではなく、立体的な構成として捉えている。正面は階の積層による水平性を基調としつつ、側面には屋外階段を内包した厚みのあるボリュームを与えることで、建築全体に明確な奥行きをもたらした。妻側に配置された階段は、機能的要請から生まれた要素でありながら、外観を分節する立体的な輪郭として作用している。正面・側面・裏側のいずれか一面に依存することなく、それぞれの面が異なる役割を担いながら全体として成立する構成を目指した。都市の中で多方向から視認される建築として、ボリュームの重なりや陰影によって、距離や視点に応じた多層的な表情を生み出している。