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SHIBUYA COMPLEX

  • サービス店舗
  • 事務所
  • 物販店舗・飲食店
  • 鉄骨造
SCROLL

本計画は、渋谷駅周辺で進行する大規模再開発エリアの中心に位置する商業複合施設である。低層部には街路と連続する商業施設を配置し、中高層部にはオフィスおよびシェアオフィスを計画することで、日常的な買い物客からクリエイター、ビジネスワーカーまで、多様な人々が交わる都市の新たな活動の場を創出することを目指した。渋谷特有の雑多性や人の流れを受け止める一方で、単に用途を積層させるのではなく、建物全体を一体的に読み解ける建築として成立させることを重視している。

そこで本計画では、用途ごとにデザインが分断されがちな複合建築において、建物全体をひとつの大きな「輪郭」で包み込む構成を採用した。その輪郭の内側に、物販店舗には繊細で透明度の高いガラスファサードを配置し、歩行者に対して開放的な表情をつくり出す。中層部のテナントフロアには、渋谷の街のリズムと呼応するように分節された水平ラインを与え、階層構造を素直に表現しつつ、視覚的な軽やかさを確保した。さらにオフィス主体となる上層部には、垂直性を強調する壁面構成を採用し、都市景観の中で明快なスカイラインを形成している。

こうして、異なる用途ごとのファサード要素を一つの大きなフレーム=輪郭の中に編み込み、それぞれの特徴を活かしながらも全体として統一性のある建築表現を実現した。渋谷の多様性とエネルギーに呼応しつつ、周辺の雑多な景観の中に新たな秩序と視覚的なまとまりをもたらす、都市に対する“もうひとつの輪郭”を提示する計画である。

DATA

所在地 東京都渋谷区
用途 物販店舗、飲食店舗、事務所
設計期間・監理期間 2020.9-
敷地面積 85.65㎡
建築面積 65.24㎡
建蔽率 76.17%(100%)
延床面積 753.76㎡
容積率 774.55%(800%)
階数 地上13階
構造形式 鉄骨造、現場造成杭

用途コンプレックス=デザイン要素コンプレックス

商業、飲食、オフィス、シェアワーク、物販など、多様な用途が同一建物に入居する場合、各テナントが求める空間特性やサイン計画、設備条件は大きく異なる。開放性を要する店舗、視認性を重視する飲食、静謐さと効率を求めるオフィス。それぞれ異なる“ニーズの集合体”が、建物のファサード・導線・空間構成に複合的な要請をもたらす。本計画では、用途の違いそのものを分断要素とせず、むしろデザインを統合するための“手がかり”として読み替え、複雑性を建築的な秩序へと転換している。

全体外観イメージ

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