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OIMACHI STATION AREA COMPETITION DESIGN

  • 公衆便所
  • 鉄筋コンクリート造
  • 鉄骨造
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品川区大井町駅前の駅西口南側道路を対象とした、トイレ・喫煙スペース・レンタサイクル・ベンチからなる遊歩道化の計画である。本計画では、駅前の裏通りのように感じられていた線路沿いの歩道に、自立する木壁と門型フレームを連続して配置し、歩行者の動線をやわらかなシルエットとして立体的に可視化するものである。高さやピッチを変えた木のゲートは、遠景では「木の山並み」のように立ち上がり、近景では都市の喧噪をさえぎる森のトンネルとなり、歩きたくなる公園的なプロムナードを形成する装置である。ゲートの内側にはトイレや休憩・喫煙・駐輪などの機能を整理して納め、散在しがちな都市施設を一体的なフォルムへと束ねることで、駅前の新しい顔となる修景施設を目指す計画である。さらに木製のインフォメーションウォールや夜間の間接照明を組み合わせ、観光と日常利用が緩やかに重なり合う、温かな都市の縁側をつくり出すことを意図した計画である。構造体となる木壁は、燃え代設計や不燃処理により防火性能を確保しつつ、都市における木材利用の可能性を示す実験的な森である。壁のリズムに合わせて生まれる「流れ」と「たまり」の空間が、通過するだけの通路を、ひと息つき情報と出会う場へと変換する装置である。

DATA

所在地 東京都品川区
延床面積 21.56㎡
階数 地上1階
構造形式 RC造・木造

ゲートの連続体が人の流れをつくるイメージ

横に長いフォルムがまとまり感と存在感を創出する

巨大な周辺建築物が立ち並ぶ中、横に長い連続した木のゲートを挿入することで、都市空間に確かな存在感とまとまりを創出するランドスケープデザインである。 トイレ、喫煙所、レンタサイクル、ベンチなど、多岐にわたる機能をこのゲート内に内包・統合。散漫になりがちな個々の施設を一つの力強いフォルムへと集約し、誰もが認知できる一体的な「遊歩道」として再構築した。特にトイレは単体で主張させず、一連の修景施設における重要な構成要素として風景に溶け込ませている。

空間構成においては、壁の配置により「歩行(流れ)」と「休息(たまり)」を明確に分離。レンガ舗装がスムーズな通行を誘導する一方、壁に囲まれた小空間は雑踏を忘れる滞留場所となる。壁面は地域情報を発信する「インフォメーションウォール」としても機能し、アナログ情報を端緒にWeb検索へ導く仕掛けとした。

高さの変化する木製ゲートは、時に「森のトンネル」のような没入感を、時にリズミカルな開放感を創出。夜間には足元の行灯照明が壁面を柔らかく浮かび上がらせ、都市の夜に安らぎの光の帯を描き出す。

平面図、立面図

都市の隙間を導く、木のシークエンス

駅前広場から南側エリアへと接続する、新たな遊歩道のデザイン提案。 コンクリートや鉄骨造の巨大な箱物建築が建ち並ぶ風景に対し、あえて対照的な「木」を素材としたゲートを連続配置した。個々の高さを変化させることで、遠景では柔らかな曲線のシルエットが浮かび上がり、無機質な都市空間に安らぎと有機的なリズムをもたらす。

この連続体は、不可視であった人の動線を鮮明に視覚化する。ゲートの連なりが奥行きを示唆し、遠方からでもそこが歩くための道であることを直感させる。「歩いてみたい」という心理的な誘引効果により、駅前から南側・東口側への積極的な人流を創出する狙いである。

さらに、鉄道からの動的な視点もデザインに取り込んだ。走行中の車窓からは、速度に連動して壁面が上下に躍動する視覚効果を生み出し、乗客の興味を惹く。プラットフォームからは木のゲート群が織りなす全体像を一望でき、大井町駅という場所を爽やかで記憶に残る風景として印象づける。機能と景観、そして人の心理を繋ぐ、都市の新たなランドマーク計画である。

鉄道側からの見え方

歩行エリア(流れ)/休息空間(たまり)

壁のない部分は歩行エリアとして、過密な往来をスムーズにするために床仕上げをレンガとし誘導する。

また、壁のある部分は自然と小空間のたまりとなり、休憩できるベンチや喫煙コーナーなどを配置し、歩行エリアの滞留を防ぐ。

歩行エリア・休息空間のイメージ

歩くことで必要な案内情報と出会うインフォメーションウォール

観光客に有用な案内情報を壁ごとに体系的に分類・掲示することによって、必要なローカル情報をキャッチすることができる。

観光客はその基礎情報を手がかりにネット検索することでより厚みのある都市情報を得ることができる。

たとえば、壁に貼られたバス路線等交通手段、無料公衆無線LANの場所、飲食店情報、近くの観光場所、宿泊施設などの情報を写真に写して持ち運んだり、QRコードを読み取りそれをきっかけにさらに深くネット検索することで、充実した観光を手助けできる。

インフォメーションウォールイメージ

計自立した木構造・防災・耐火設計

構造計画においては、120mm厚の製材をコンクリート基礎に直接埋め込み剛接合とする自立システムを採用した。

これは木材本来が持つ風荷重への曲げ剛性を最大限に活かす手法であり、タイロッドで一体化された列柱壁は高さ6mに及ぶ。

トイレ棟ではこの壁を主構造として利用し、軽やかな鉄板屋根と曲面ガラスを組み合わせた。

また、商業・防火地域での木造化を実現するため、トイレ部には45mmの燃え代による準耐火構造を、2mを超える塀には不燃処理を施すなど、綿密な防災・耐火設計を行った。

構造的合理性と安全性を両立させることで、厳しい法的制約のある都市空間に木のランドマークを成立させている。

自立木構造・防災・耐火設計のイメージ

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