本計画は、表参道駅至近、青山通りに面するオフィス・クリニックモール・カフェからなる複合施設である。敷地は、建築的ランドマークである「スパイラル」に隣接し、都市としての高いポテンシャルを備えた南青山の中心に位置する。周辺の街並みは、計画的ではなく自然発生的に育まれてきたが、そこには独自のデザインコードが存在する。その文脈を読み解き、抽出・再構成することで、本建築に取り込んだ。ファサードに施されたストライプ状のランダムな凹凸は、単なる偶然性ではなく、「粗」と「密」という概念に基づき制御されている。建物上部に配置された動的照明により、そのパターンは夜間にさらに強調され、都市のリズムや流動性を視覚的に示す装置となる。
DATA
| 所在地 | 東京都 港区 南青山 |
|---|---|
| 用途 | 事務所、飲食店、サービス店舗 |
| 設計期間・監理期間 | 2023.01.06-2024.11.29 |
| 敷地面積 | 441.83㎡ |
| 建築面積 | 353.80 ㎡ |
| 建蔽率 | 85.90㎡ |
| 延床面積 | 2,996.76㎡ |
| 容積率 | 682.12% |
| 階数 | 地上9階 |
| 構造形式 | 鉄骨造、場所打ちコンクリート造 |
計画地「南青山」の特徴
南青山に建つ建築の特徴について
デザインコンセプト
CODES/CHORDS 街と呼応し調和するオフィスビル
デザイン提案
ブランドを織り込む、CODE柄の表現体
都市の符号(CODES)を読み解き、建築としての調和(CHORDS)へと昇華させたファサードは、南青山の洗練された街並みに対して静かな存在感を放つ。縦張りのALC外壁に施された特殊塗装が、ランダムでありながら粗密を制御した横方向のパターンを浮かび上がらせ、都市のリズムや歩行者のテンポと呼応する表情を生み出している。このパターンは単なる装飾ではなく、光の変化や視点の移動により揺らぎのある陰影をつくり出し、時間とともに表情を変えていく。
さらに、夜間にはファサード上部や階段部分に配置された動的照明が、光の流れやきらめきによって建物の存在を強調。ブランド名「VORT」がさりげなく浮かび上がるデザインも織り込み、企業のアイデンティティを建築に溶け込ませた。シンプルでありながらも高い情報密度を持つこのファサードは、周囲の名建築と調和しつつも独自の語りを持ち、都市の中に新たなコードを刻んでいる。