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igreQs BOX SERIES ⅱ

  • 賃貸集合住宅
  • 鉄筋コンクリート造
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IGREQSシリーズでは、事業成立性を前提としながらも、建築としての質をどこまで高められるかを重要なテーマとして設計に取り組んできた。

計画初期から賃貸市場や事業収支の検討を重ね、ボリュームスタディや模型制作を通じて建築全体のあり方を多角的に検証している。

さらに、共用部だけでなく住戸内部に至るまで、空間構成・素材・ディテールを丁寧に検討し、完成形に向けて段階的に精度を高めていった。本ページでは、そうした設計プロセスの中で生まれた成果物を通して、建築が形づくられていく過程を紹介する。

DATA

所在地 神奈川県横浜市
用途 共同住宅
設計期間・監理期間 2012.7.1~2013.9.30・2013.11.1~2015.2.28
敷地面積 457.53㎡
建築面積 322.54㎡
建蔽率 70.50%
延床面積 2545.23㎡
容積率 399.60%
階数 M1階地上9階
構造形式 RC造

事業性から導かれた都市型集合住宅のかたち

IGREQSの設計では、事業としての成立性を重視し、初期段階から綿密な検討を重ねている。

敷地条件や法規制、賃貸市場のニーズを整理したうえで、ボリューム構成や住戸割りを慎重に検討し、建物全体の方向性を定めた。

外観や共用部だけでなく、住戸内の広がりや動線、採光・通風といった居住性能についても具体的なスタディを行い、日常の使い勝手まで踏み込んで設計を進めている。

こうしたプロセスを通じて、事業性と住空間の質を両立させる集合住宅を目指した。

事業性と居住性を両立させるための検討を重ねた外観イメージ

住戸へのアプローチまで含めた空間スタディ

共用廊下や住戸前のアプローチについても、単なる動線としてではなく、住まいへの期待感を高める空間として検討を行った。

素材の切り替えや壁面の凹凸、天井の高さや間接照明によって、単調になりがちな共用部にリズムと奥行きを与えている。

住戸扉まわりには落ち着きのある素材と陰影を用い、プライベートへと切り替わる「間」を意識した構成とした。

日常的に通る場所だからこそ、居住者の記憶に残る質感とスケールを丁寧に設計している。

住戸前のスケール感や素材感まで検討した共用廊下のイメージ

居住者を迎え入れるためのエントランス空間

本計画のエントランスは、単なる通過点ではなく、居住者が一息つける「場」となることを意図して設計している。

重厚感のある壁面素材と抑えた照度計画により、外部の喧騒から切り離された落ち着きのある空間を構成した。

ベンチや植栽を設けることで滞留性を持たせ、高級ホテルのラウンジのように、待ち合わせや短時間の休息にも対応できる余白を確保している。

住まいの第一印象を決定づける空間として、質感とスケールのバランスを丁寧に整えた。

重厚な素材と間接照明により、くつろぎと品格を備えたエントランス空間。

ボリューム検討から住戸内まで横断する模型によるスタディ

本計画では、事業性やボリューム検討にとどまらず、住戸内部の空間構成や暮らし方までを具体的に検証するため、詳細な住戸内模型を制作した。

間取りの違いによる生活動線や家具配置、視線の抜け方、素材の切り替わりなどを立体的に確認し、平面図だけでは把握しきれない空間の質を検討している。

複数タイプの住戸を横断的に比較することで、シリーズ全体としての住みやすさと個性のバランスを調整し、実際の暮らしを想定した設計精度の向上を図った。

▲type YOCA 

ダンディーなIT系男子が夜景を見ながらバーボンを飲みその日の仕事のできを内省するシックなイメージ

▲type HIKARI

新婚夫婦が友人を呼んでパーティーができるような光に満ち溢れた可変型ユニバーサルスペース。家族構成の変化にも追従できるよう子供部屋になり得る室を設けた

▲type MIDORI

南国リゾートやレトロなカフェを想起させ、カリモクのようなシックな木彫家具があうデザイナーの住む部屋

▲type SANSOU

田舎のペンションのように自然素材にあふれ、昼間の雑踏から離れた隠れ家のようなほっとする空間。会社で疲弊した心を家でリフレッシュできるよう浴室洗面空間は黒を基調にしてゆったり確保した

▲type NODOKA

かわいらしい雰囲気を持つ女子主役の部屋で、キッチンは窓に正対して設けて景色を望めるようにし、洗濯機・洗面の家事動線がリビングアクセスであり、家事と生活空間が密接に絡むようにした

素材サンプルを含めた実寸感覚での設計検討

本プロジェクトでは、図面やCGによる検討に加え、床材・壁材・建具仕上げなどの実際の素材サンプルを集め、住戸模型や平面スタディと並行して検討を行った。

色味や質感の相性、光の当たり方による印象の変化を実物で確認することで、空間全体の完成度を高めている。

住戸タイプごとのキャラクター設定やシリーズとしての統一感も意識し、意匠性と事業性の両立を図りながら、細部に至るまで具体性のある設計プロセスを積み重ねた。

住戸模型・図面と併せて行った、仕上げ素材サンプルによる総合的な検討風景

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