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HIGASHI-UENO 3-CHOME PROJECT

  • 賃貸集合住宅
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上野駅から徒歩約10分という都市の利便性を享受できる立地に、敷地面積約136㎡という限られた条件の中で計画した共同住宅である。狭小地ならではの制約を前提としながらも、居住性と収益性の両面から最大限のボリュームを確保すること、そして街に対して誠実で美しい佇まいをつくることを設計の主題とした。法規条件に対しては天空率を積極的に活用し、道路斜線・隣地斜線をクリアしながら、3Dモデルを用いた形態検証を繰り返すことで、建物の輪郭に優雅な円弧ラインを与えた外観デザインへと収束させている。ブラウンと白を基調とした色彩は上野の街並みに自然に溶け込みつつ、細長い建物形状に対してリズミカルな目地の割付を行うことで、単調さを抑えた立体的な表情とスケール感を獲得した。さらにエントランスには外観と同じR形状の壁を取り入れ、外部から内部へ連続する印象をつくることで、建物全体に一体感と品格を与えている。一方、住戸内部では円弧壁をあえて採用せず、家具配置や動線の自由度を確保し、暮らしやすさを優先した整形の空間を計画。都市の中で個性と調和を無理なく両立させ、上野らしい落ち着きとモダンさを併せ持つレジデンスとしてまとめ上げた。

DATA

所在地 東京都台東区東上野3丁目32-2
用途 共同住宅
設計期間・監理期間 2024.06-2024.12・2025.02-2026.09
敷地面積 136.04㎡
建築面積 95.21㎡
建蔽率 69.99%(100%)
延床面積 958.31㎡
容積率 599.89%(600%)
階数 地上14階
構造形式 鉄筋コンクリート造

吸い込まれるようなアプローチを計画

アプローチの壁は外観と呼応する柔らかなR形状とし、直線的になりがちな都市の動線に緩やかな“溜まり”とリズムを与えた。歩みを進めるにつれて視界が少しずつ開き、自然とエントランスへ誘われるような心地よいプロセッションをつくり出している。建物の足元には植栽帯を設け、硬質になりがちな街の表情に潤いと季節感を添え、帰宅時にふっと気持ちがほどける落ち着いた景観を創出した。エントランスは深い庇によって外部環境から守られた領域を確保し、上質な素材でまとめることで、街側の喧騒から内部の静けさへと滑らかに切り替わる洗練された空間としている。また、限られた敷地条件の中でも形状を最大限に活かし、十分な駐輪スペースを確保して日常の使い勝手に配慮。さらに専用扉からEVホールへ直接アクセスできる計画とすることで、動線を短縮しつつ不特定者の侵入を抑え、居住者の利便性と安全性を高めている。細部にまで行き届いた計画が、都市型住宅に求められる快適さと美しさの両立を支えている。

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