銀座繁華街に建つ本商業ビルは、都市のにぎわいと高度に洗練された商業環境の只中に位置しており、その立地特性を最大限に引き出すファサード計画としている。北側はガラスを主体とした開放的な構成とし、街路から内部のアクティビティや奥行きのある空間構成が視覚的に伝わることで、銀座の通りに対して高い透過性と賑わいを提供する。一方、西側は縦型ルーバーを設けることで、強い西日をやわらかく遮りながら日射をパッシブに制御し、環境性能と意匠性を両立させた立面としている。ルーバーのリズムは建物の縦方向のプロポーションを強調し、ペンシルビルが連なる銀座のスカイラインに呼応する端正な表情を生み出している。
GINZA SIXの斜向かいという極めて象徴性の高い立地を活かし、本計画では周囲の強い商業的イメージに埋没しない独自の存在感を追求した。デザイン面では、ガラス越しに木質の素材が見える構成とすることで、外部からも素材の温かさと空間の奥行きが感じ取れるようにしている。これは、G6のシルバーメタリックでシャープな外観に対する明確なコントラストを生み出し、銀座の街並みの中で記憶に残る表情を形成することを意図している。硬質な金属とやわらかな木質、透明なガラスと反射する外装材といった異なる素材の対比により、時間帯や天候によって表情が変化する奥行きのあるファサードを実現している。
こうした素材感のレイヤーと光の映り込みを丁寧に組み合わせることで、単なる商業ビルにとどまらず、街並みに温かみと豊かな表情をもたらす建築として計画されている。昼間はガラス越しに見える木質天井が柔らかな印象を与え、夜間には内部の照明と反射材が呼応することで、銀座の夜景に新たな輝きと奥行きを付加するファサードデザインとしている。
DATA
| 所在地 | 東京都中央区銀座5丁目 |
|---|---|
| 用途 | 物販店舗、飲食店、事務所 |
| 設計期間・監理期間 | 2020.08 |
| 敷地面積 | 108.96㎡ |
| 建築面積 | 89.48㎡ |
| 建蔽率 | 82.12% |
| 延床面積 | 823.25㎡ |
| 容積率 | 699.61% |
| 階数 | 地上12階 |
| 構造形式 | 鉄骨造、場所打ちコンクリート造 |