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HF SYOUKOUJIAKABANE RESIDENCE Ⅱ

  • 賃貸集合住宅
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計画は、ワンルームからコンパクトファミリーまでを主たる対象とした、ディベロッパー向けの賃貸マンションである。

幅広いライフスタイルに応える住戸構成としつつ、敷地は遠方からもファサードが望める視認性の高い立地条件を備えていた。

その特性を最大限に活かすため、外観は水平に板を積層させた構成を採用し、均整のとれたボリューム感と都市景観への存在感を両立させている。

住戸の平面計画においては、数多くの既存事例を丁寧にサンプリングし、動線、収納、採光、設備配置といった諸条件を総合的に検証することで、暮らしやすさを最適化したプランニングを追求した。

コンパクトでありながら、ゆとりと実用性を確保した住空間は、日常の快適性はもちろん、長期的な資産価値にも寄与する計画としてまとめられている。

DATA

所在地 東京都北区
用途 共同住宅
設計期間・監理期間 2017.12-2019.12
敷地面積 504.11㎡
建築面積 276.29㎡
建蔽率 54.80%
延床面積 3085.15㎡
容積率 499.99%
階数 地上14階
構造形式 鉄筋コンクリート造

奥へ導く青を基調としたエントランス

外観は深みのある青をポイントカラーとして据え、その色が建物全体を静かに包み込むような構成を思い描いている。

外部から内部へと歩を進めるにつれ、光と素材の表情がゆるやかに重なり合い、ひとつの連続した体験として“青”が展開していくイメージだ。

夕景の光を受けて浮かび上がるわずかな輝きや、陰影の奥に潜む柔らかな光は、建物が持つ静謐さと存在感を象徴的に示す。

屋外と屋内、その境界を曖昧にしながら、色と光のレイヤーが物語のように繋がっていく

そんな、ひとつの世界観を目指す構想である。

エントランスホールは、外観に漂う“青の気配”をそのまま受け取り、内部でさらに深めていくための起点として構想されている。

外から続く色のレイヤーは、内部で静かに濃度を変えながら広がり、光と影がゆるやかに溶け合う空間を形づくる。
細く伸びる光のラインは、人の動きをそっと導くように奥へと続き、外部で感じられた水平的なリズムを内側にも響かせる。

足元に落ちる柔らかな光と、深みのある色の対比が、奥行きと静けさを生み、外と内との境界を曖昧にしていく。

こうしてホール全体が、建物に流れる“青の物語”を受け継ぎながら、より内面的で静謐な世界へと誘うための序章となっていく。

光に包まれるエントランス

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