本計画は、低層部にBCP拠点機能を組み込んだ賃貸マンションである。地区計画により高い容積率が許容されたエリアに立地し、そのポテンシャルを最大限活かすべく、住棟は中廊下式の共同住宅として効率的な平面計画を採用した。平常時は都市型の賃貸住宅として機能しつつ、災害時には地域の拠点として活用されることを想定している。外装は長期運用を前提に、メンテナンス頻度が低く剥離の懸念が少ない乾式二丁掛タイルの空目地仕上げを採用し、経年に耐える落ち着いた表情を目指した。三面が主要ファサードとなる敷地条件であることから、周辺街路からの視点場を丁寧に検証し、全周の見え方を踏まえたボリューム構成と開口計画のスタディを重ねることで、どの方向から見ても破綻のないファサードを追求している。
DATA
| 所在地 | 東京都千代田区神田 |
|---|---|
| 用途 | 賃貸集合住宅 |
| 設計期間・監理期間 | 2021.02-2021.09・2022.04-2023.06 |
| 敷地面積 | 231.89㎡ |
| 建築面積 | 177.32㎡ |
| 建蔽率 | 76.47% |
| 延床面積 | 1843.85㎡ |
| 容積率 | 664.16% |
| 階数 | 地下0階 地上12階 |
| 構造形式 | RC造 |