超高層共同住宅の計画である。都市スカイラインに浮かぶ垂直の街として、外観・住戸プランの双方にランダムな構成を採用し、立体的なずれや重なりによって多様な生活の気配がにじみ出るよう意図している。画一的な反復を避けることで、居住者それぞれの暮らし方が外観に繊細に表出する、表情豊かな集合住宅を目指した。共用廊下やバルコニーもランダムな配置とし、内部から外部へと視線や風が抜ける抜けをつくることで、超高層でありながら地上に近い距離感とコミュニティの連続性を確保している。
DATA
| 所在地 | 東京都渋谷区 |
|---|---|
| 用途 | 共同住宅 |
| 敷地面積 | 1049.95㎡ |
| 階数 | 地上17階 |
| 構造形式 | 鉄筋コンクリート造 |
計画にあたっては、総合設計制度や開発許可申請をはじめとするスキームを組み合わせ、一般的な法規の枠組みを越えて柔軟なボリュームコントロールや公開空地・歩行者動線の計画を実現した。
行政協議を含む初期の企画立案から、事業スキームの検討、関係者との調整まで、一連のプロセスに中心メンバーとして携わっている。結果として、都市に開かれた足元空間と、上層に積層する多様な住戸の対比が、この街区に固有のアイデンティティと、新しい高層住宅のあり方を提示している。居住者の日常の変化が時間とともにファサードを更新していくような、動的な建築像を構想した。
