都心の狭小地に計画された、超高密度型の都市居住建築である。わずかな間口と細長い敷地形状に対し、構造・設備・避難動線を極限まで最適化し、縦方向へと空間を積層することで成立している。ファサードは、垂直ルーバーと階段シャフトがリズムを与えるミニマルな構成とし、街路へ対して軽やかな陰影をつくり出す。低層部には奥行きの深いピロティを設け、限られた土地の中に安全なアプローチと半屋外の余白を確保。内部はワンフロア・ワンユニットを基本としたクリアな平面構成で、プライバシーを重視しながら都市生活の快適性を高めている。立体的な避難階段と設備コアを背骨として、合理性と柔軟性を両立させた、超高密度都市における新しい住まいの原型となる建築である。
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