郊外住宅地の端部、河川と街路に挟まれた台形敷地に建つサービス付き高齢者住宅である。二層のボリュームをコの字に折り曲げ、中央に駐車場を兼ねたコートヤードを抱え込むことで、車寄せと日常の庭を一体化した。外周には川沿いのロングファサードが伸び、淡いブラウンとホワイト、アクセントとなるイエローの帯が、周辺の住宅スケールと高齢者施設としての識別性を両立させる。居室は中庭側と外周側の両面配置とし、効率的な戸数と全室採光を同時に確保。1階のピロティやレンガ舗装の歩行者動線が、雨天時の安全なアプローチと多様な滞在のポケットをつくり出している。合理的な平面と簡潔な外装ディテールにより、介護オペレーションとコストコントロールに応答しつつ、郊外におけるケア付き集合住宅の新しいプロトタイプを提示している。水面に連なる水平ラインが、日常の景色を穏やかに切り取り、入居者の暮らしにささやかな誇りと穏やかな時間を与える。
DATA
| 所在地 | 埼玉県白岡市 |
|---|---|
| 用途 | サービス付高齢者向け住宅 |
| 敷地面積 | 2308.48 |
| 建築面積 | 1491.61 |
| 建蔽率 | 64.62% |
| 延床面積 | 2933.72㎡ |
| 容積率 | 118.04% |
| 階数 | 地上2階 |
| 構造形式 | 鉄骨造 |