WORKS

COMPLETED

igreQs BOX SERIES ⅱ

SCROLL
  • 全国賃貸住宅新聞2016.1.16 掲載
  • グッドデザイン賞 2016 受賞
  • KJ 2015.06 掲載
  • LiVES VOL.60 掲載

 

本計画は、賃貸市場のリサーチからスタートし、DINKS層および核家族層を主要なターゲットとして設定した共同住宅である。

今後、周辺エリアに同様の事業スキームによる集合住宅が建ち並ぶことを見据え、

数ある選択肢の中から「どうしても住んでみたい」と感じさせる建築的魅力をいかにして実現するかを設計のテーマとした。

外観は白を基調としたシンプルなキューブ形状とし、無駄を削ぎ落とした端正で普遍性のあるデザインによって街並みに静かに佇む。

一方、内部空間では共用部・専有部それぞれに異なるテーマを設定し、住まい手の多様なライフスタイルに応答する、表情豊かで個性のある空間体験を創出している。

DATA

所在地 神奈川県川崎区
用途 共同住宅
設計期間・監理期間 2012.07-2022.09 2022.11-2024.02
敷地面積 457.53㎡
建築面積 1830.12㎡
建蔽率 70.50%
延床面積 2545.23㎡
容積率 399.60%
階数 地下1階、地上9階
構造形式 鉄筋コンクリート造

都市の中で輪郭を際立たせるキューブ型集合住宅

本計画では、周辺に中高層の共同住宅が建ち並ぶ都市環境の中で、建築の輪郭が明快に認識される外観構成を目指した。

白を基調としたシンプルなキューブ形状とし、余計な要素を排した端正な立面によって、時間帯や天候に左右されない普遍性を備えている。

角地に建つ立地特性を活かし、ボリュームの立ち上がりや開口部の配置を整理することで、街路に対する視認性とスケール感の調整を図った。

夜間には内部の灯りが立面に滲み、建築全体が柔らかな存在感として街に現れる。賃貸住宅でありながら、都市の中で選ばれる理由となる建築的個性を外観において表現している。

夜間、交差点から見た白いキューブ形状の外観。

素材と光によってつくられた共用ラウンジ

共用部に設けたラウンジは、建築全体のコンセプトを内部空間にも反映させる場として計画した。

壁・天井には素材感のある仕上げを採用し、装飾を抑えた構成とすることで、空間そのものの質が際立つ設えとしている。

間接照明を中心とした照明計画により、壁面や天井に柔らかな陰影を生み出し、落ち着きのある雰囲気を演出した。

家具は空間のスケールに合わせて配置し、短時間の滞在から会話、待ち合わせまで幅広い使われ方に対応する。

住戸とは異なる時間の流れを感じられる、共用部ならではの居場所をつくり出している。

間接照明と素材感を活かした共用ラウンジ内部

色彩と光で構成した共用廊下

共用廊下は単なる移動空間ではなく、建築全体の世界観を体感できる場として計画した。

壁面には印象的な色彩を用い、天井際に設けた間接照明によって、奥行きと連続性を強調している。

開口部から取り込まれる自然光と人工照明の対比により、時間帯によって表情が変化する空間をつくり出した。

素材や色の切り替えは過度な演出に頼らず、歩行のリズムや視線の流れに寄り添う形で構成している。

日常的に通過する場所でありながら、住まい手の記憶に残る共用空間となることを意図した。

色彩と間接照明によって構成された共用廊下。

構造体を活かした、フレキシブルな住戸空間

専有部は、構造体をあらわしとした天井とシンプルな内装によって、住まい手が自由に使いこなせる空間として計画した。

設備や収納を一箇所に集約することで、生活動線を整理し、居室部分には最大限の余白を確保している。

白を基調とした仕上げと床材のトーンを抑えた構成により、光が室内全体に回り込み、コンパクトでありながらも明るさと広がりを感じさせる。

ライフスタイルの変化に応じてレイアウトを更新できる、賃貸住宅としての柔軟性を備えた住戸空間である。

構造体をあらわしとした天井とキッチンを備えた住戸内観。

内装のテーマを切り替えた専有部空間

本住戸では、共通の空間構成をベースとしながら、内装によって異なる表情を与える計画とした。

構造体をあらわしとした天井やシンプルな白壁を背景に、アクセントクロスや床材によって空間の性格を切り替えている。

水回りや収納はコンパクトにまとめ、生活の中心となる居室部分には十分な余白を確保した。

素材の組み合わせによって空間の印象を調整することで、住まい手の好みやライフスタイルに応じた選択肢を提示している。

賃貸住宅でありながら、画一的にならない住戸体験を目指した専有部である。

アクセントクロスと素材の組み合わせによって構成した住戸内観