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COMPLETED

Flats TAHICO

  • 賃貸集合住宅
  • 鉄筋コンクリート造
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川崎駅から徒歩約10分。本計画は、地主の土地有効活用事業として企画から設計監理までをトータルで手掛けた賃貸集合住宅である。徹底したマーケットリサーチに基づき、ターゲットである単身者やDINKS層が真に求める空間を検証。「デザイン」を単なる装飾ではなく、市場価値のある「商品」として再構築することをテーマとした。

外観は、白を基調とした柱と梁が整然とグリッドを描く、極めてシンプルなキュービック形状を採用。各層の垂直ルーバーが繊細なリズムと奥行きを生み、重厚になりがちな高層建築に洗練された軽やかさを与えている。 その静謐な佇まいとは対照的に、エントランス天井には無数の裸電球を配置した。空間を埋め尽くす圧倒的な光の粒は、道行く人々にも鮮烈な驚きを与え、都市生活における非日常的な高揚感を演出する。緻密な事業戦略と意匠が高次元で融合し、既存の枠に収まらない新たなデザイナーズマンションの定義を確立している。

DATA

所在地 神奈川県川崎市
用途 共同住宅
設計期間・監理期間 2015.07-2016.06・2016.11-2018.02
敷地面積 330.14㎡
建築面積 236.69㎡
建蔽率 71.69%(100%)
延床面積 1842.77㎡
容積率 496.28%(496.92%)
階数 地上13階
構造形式 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造

垂直性が際立つ静謐な直方体


外観構成においては、スレンダーなボリュームを際立たせるため、見るアングルにより明確に異なる二つの表情を与えた。

側面は、装飾を排した白のフラットな壁面に小窓を規則的に配置し、抽象度の高いソリッドな「塊(マッス)」として扱うことで、建物の垂直性を強調した。 対して街路に正対するファサードは、コンクリートのグリッドフレームを前面に押し出し、ガラス手摺と垂直ルーバーによるレイヤー構成を採用した。この構成により、光による陰影と物理的な奥行きを生み出し、街路に対して表情豊かな顔をつくり上げている。

上層階は眺望を確保するため開口率を高く、下層階は隣接建物へのプライバシーに配慮して低く設定し、機能的な要請に基づいてファサードを決定した。この開口率の変化を実現するため、手摺は特注仕様を採用している。

国道から見たファサード

日が落ちると住戸の明かりが漏れ出し、グリッドフレームの陰影を柔らかく浮かび上がらせる。

側面の小窓から漏れる規則的な光の点と、正面バルコニーの面的な光。

二つの異なる光の表情が夜の街並みに新たな風景を描き出す。


静寂な外観との対比を狙い、エントランスは「驚き」を空間のテーマに据えた。硬質なコンクリートとタイルで構成された空間の天井には、無数の裸電球をグリッド状に配置。ガラス越しに溢れ出す圧倒的な光の群れは、道行く人の視線を惹きつけると同時に、住まい手をドラマティックに迎え入れる。都市の喧騒から私的な安らぎへと心を切り替える、象徴的な結節点として計画した。

エントランス天井は全て透属性のあるZAM鋼板とし、星のようにきらめくLED照明が内部を照らす。

装飾を削ぎ落としたグリッドと直線の反復。

素材の質感が際立つ、幾何学的でミニマルなファサード構成。

白と黒の対比と大胆な階数表示が彩る共用廊下の空間。陰影ある照明が、ホテルライクで都会的な高揚感を演出する。

天井まである大型の木製引戸が、空間の表情を一変させる。開放すればキッチンや奥の収納まで続く奥行きを、閉鎖すれば生活感を隠した独立性の高い空間を創出する。住まい手のシーンに合わせて「見せる」「隠す」を自在にコントロールできる設計である。

境界を自在に操る。ON/OFFを切り替える可変空間


空間を仕切る4枚の連引戸は、袖壁の中に完全に引き込むことが可能だ。戸を閉ざせば柔らかな光を通しつつ生活空間を分ける落ち着いた1LDKに、開放すればキッチンと一体化した広々としたSOHOスタジオに。建具の存在を消すことで、住まい手が必要な広さと機能を瞬時に選択できる設計となっている。

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