WORKS

COMPLETED

DIANCREST BUILDING

  • サービス店舗
  • 事務所
  • 物販店舗・飲食店
  • 鉄骨造
SCROLL

首都高速に寄り添うように建つスリムなビルである本計画では、車で走り抜ける人々の視線こそを主たる「来訪者」として想定している。高速道路上からふと見上げたとき、最上階のシルエットが遠くの空に浮かび上がり、刻々と移ろう車窓のフレームに切り取られることを意図した。スリムな輪郭と水平ラインが流れる視線のなかで都市のスカイラインを軽やかに縁取り、このエリア全体のアイデンティティを示すサインのように機能する。日々の通勤や物流の往来の中で、何度も繰り返し視界に現れることで、利用者だけでなく通り過ぎる人々の記憶にも静かに刻まれていく、ささやかだが確かなランドマークとなることを目指した。さらに、昼夜で表情を変えるファサード照明やガラスの反射が時間帯ごとに異なる印象を与え、動き続ける都市のリズムと呼応している。

DATA

所在地 東京都港区
用途 飲食店、サービス店舗、物販店舗、事務所
設計期間・監理期間 2021.04-2023.08
敷地面積 85.45㎡
建築面積 70.57㎡
建蔽率 82.58%
延床面積 567.39㎡
容積率 599.87%
階数 地上10階
構造形式 鉄骨造、現場打ちコンクリート杭

照明による演出


繊細な縦ルーバーが軽やかなスクリーンとなって街路との境界を和らげ、都心の喧騒を受け止めながらも、奥へと誘う開かれたエントランスを形づくる。各階に忍ばせたライン照明と、屋上をぐるりと縁取る光のフレームは、日没とともに静かに立ち上がり、ファサード全体を宙に浮かぶレイヤーのように輝かせることで、都市高速を行き交う視線に強い印象を刻む。

 


来訪者を迎える足元には、温かみのある光と質感豊かな仕上げ材を重ね、硬質な都心の風景のなかにも、人のスケールで都市のうつろいを感じ取れる、細やかな表情を与えている。歩道を歩く人々は、ルーバー越しに漏れ出す光と気配に導かれ、内部へと自然に引き込まれる。建物は昼は控えめに街並みに溶け込み、夜は光の柱として周囲のビル群とは異なるリズムを都市に与えることを意図している。

低層部に奥行きをつくるガラスリブ


外周には細かなガラスリブを途切れなく連続して配列し、昼間は空や周辺建物の気配を柔らかく反射させながら、内部で生まれるワークシーンをかすかににじませることで、軽やかで奥行きのある透明な印影をつくり出している。

さらに延焼ラインに対しては防火壁を挿入して巧みにかわし、開口部のプロポーションやディテールの決定に大きな自由度を与えることで、都市の表情に呼応する繊細なファサードを実現した。これにより、昼夜で異なる表情をまといながらも、一貫して端正な垂直性を強調する外観としている。

照明による演出で利用者を入口へと誘うアプローチ


六本木通りから訪れる人々は、低層部のガラスリブ越しに浮かぶ温かみのある光と質感豊かな仕上げ材によって内部の人の動きを柔らかく感じ取ることができる。硬質な都心の風景のなかにも、人のスケールで都市のうつろいを感じ取れる、細やかな表情を与えているデザインによって、歩道を歩く人々は、ルーバー越しに漏れ出す光と気配に導かれ、内部へと自然に引き込まれる。建物は昼は控えめに街並みに溶け込み、夜は光の柱として周囲のビル群とは異なるリズムを都市に与えることを意図している。こうした光の演出により、一日の時間の移ろいとともに表情を変える、都市の新しい玄関口としての役割を担うことを期待している。

都市を望む屋上デッキ


屋上デッキは、首都高速と都市のスカイラインに最も近い場所として、日々の「移動する風景」を受け止める“都市の縁側”を目指した。オフィスの最上部に外部空間を確保することで、建物の輪郭が単なる終端ではなく、空へと開かれた居場所として立ち上がる。眼下を流れる車列や遠景のビル群、刻々と変わる空の色——それらが視界に収まることで、働く時間の緊張をほどき、都市と身体感覚をつなぎ直す余白となることを意図している。

 


このデッキを象徴するのは、連続するルーバー状の庇である。直射日光や視線、風の強さをやわらげながら、空の明るさは遮らずに通し、床面には時間とともに移ろう繊細な影のリズムを落とす。日中は木質デッキの温度感が足元にやさしく、短い休憩や小さな会話が自然に生まれる場となる。夕刻以降は、庇下の光が道筋を静かに縁取り、金属手摺や設備の輪郭を整えながら、屋上全体が“都市の上に浮かぶテラス”として落ち着いた表情に切り替わる。

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