この小さな信用金庫は、高齢化が進みシャッター通りになって活気を失った関原通り商店街に、かつての光を再び灯したいという思いのもと計画された。この商店街は2kmにもおよぶ長さだが、昼間は人気がなく、営業している店もわずかになってしまう。東京の中、昭和で時が止まっていると言われている所以である。
そんな中、この信用金庫は関原通りの中央に位置し、隣の神社の神輿の出発点となり、街のイベントを積極的に行える場所になった。例えば、縁側空間をご老人の休憩所として開放し、多目的コーナー室は単独で地域開放をしてバザールの基地局などになり、道路面は大きく開くガラスを配置し、上部は街のシンボルとして柔らかく光る。
これは、地域密着であるべき信用金庫という考え方を超えて、街の人々の笑顔を取り戻したいという夢が形になった建物である。
DATA
| 所在地 | 東京都足立区 |
|---|---|
| 用途 | 信用金庫 |
| 設計期間・監理期間 | 2019.12-2020.05・2020.06-2020.12 |
| 敷地面積 | 517.27㎡ |
| 建築面積 | 194.89㎡ |
| 建蔽率 | 37.67% |
| 延床面積 | 298.53㎡ |
| 容積率 | 57.71% |
| 階数 | 2F |
| 構造形式 | 鉄骨造 |